無慈悲な部長に甘く求愛されてます

 私はあわてて彼を追いかけた。

「ていうか、やっぱり見つかっちゃったじゃないですか!もう、あんなこと、外でしたらダメです!」

「あんなことって?」

 振り返った顔にいたずらっぽい微笑が浮かんでいて、ぐっと喉が詰まった。

「だから、その……キ、キスとか」

「口じゃなければいい?」

 私の髪をさらりと持ち上げて、唇をつけようとする。

 間接照明のせいなのか、その仕草がやたらと色っぽくて、頬が熱くなった。

 慣れてきたなんてとんでもない。

 冴島さんのちょっとした言動に、私はやっぱりすぐ動揺してしまう。

「ダメです!」

 心の奥深くまで侵食していきそうなときめきを、どうにか抑えながら必死に言うと、冴島さんはくすくす笑った。

「わかってるよ。これからは気をつける」

 大河くんにするみたいに、大きな手で私の頭を優しく撫でる。

 ……それもアウトです、冴島さん。

 そう思いながらも、彼の手の感触をまだ味わっていたくて、それ以上は口にできなかった。





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