求めよ、さらば与えられん
__ッ…!!


目を覚ました途端頭に痛みを感じた。


そうだ……確か背後から誰かに殴られたんだ……。


ガタガタと揺れている。馬車?走ってる?


ズキズキ痛む後頭部に手を当てた。ヌルッとして慌てて見ると、手のひらはべっとりと濡れていた。暗くてあまりよく見えないけど、血…だよね……。


私、今……っ、怖い。自分の置かれている状況がなんとなく理解できてきた。分かった途端恐怖が一気に膨れ上がる。


気配を感じてハッとした。見渡すと無数の光が私に向けられていた。所々の隙間から光が溢れ、その明かりが光の正体を教えてくれた。



「酷い……」



檻の中に入れられた動物たち。檻は数えられないくらい積まれている。さっき見た時はこれ程積まれていなかったのに……。


あの子__!


血だらけで横たわる幼いペガサス。その子はピクリとも動かない。まだ生きてるかもしれない。助けられるかもしれない!


_ジャラ……。


っ!?動こうとしたら足に重みを感じた。


これって……足、枷……?


背筋が凍った。思わず足首に手を伸ばした。冷たい金具に触れる手が震える。どんどん視界がボヤけていく。


体が恐怖に支配されていく。震えが止まらない。上手く息が出来ない。





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