求めよ、さらば与えられん
あ!



「皆さんお身体の具合は大丈夫ですか!?」



みんなあの時は疲れ切ってたし、カステルさんやダミアンさんは毒を浴びていた。



「心配せずとも、ベアトリーチェのお陰で皆この通り元気だ」



国王陛下の満面の笑みを見てホッとした。



「まだ本調子ではないだろう? 我々の心配をしてくれるのは嬉しいが、もう暫くゆっくり休みなさい」

「はい、ありがとうございます」



国王陛下、そしてみなさんにお礼を言ったら、ジーン王子が歩き出した。



「おい、何してる」

「え?」



ジーン王子の視線の先。無意識にヘンリーの袖を掴んでいた。


離れるのが怖い。ヤダ……また視界が滲んでいく。



「もぉ…ずっと、いられる? 一緒に……いられる?」

「あぁ、一緒にいられるよ。 だから今はゆっくり休んで、元気になったらたくさん話をしよう」



「行くぞ」そう言ってジーン王子は私を抱きかかえたまま部屋を出た。顔を隠すように俯いていたら、更にグッと距離が近づいた。


ジーン王子の首に腕を回して顔を埋めた。



「ごめっ__」



涙が止まらない。嬉しいのかホッとしたのか……色んな感情が入り混じっていて自分で自分の事が分からない。





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