求めよ、さらば与えられん
泣きながらお腹を抱えるロロ君のおでこや首元は汗ビッショリになっている。おでこに手を当てたが、熱はなさそうだ。


ロロ君を抱きかかえて、ベッドに横にならせた。壁や天井に穴があいているせいか、室内環境はあまり良くない。



「ロロ君、私の声が聞こえる?」



ロロ君は薄っすら目を開けると、辛そうに小さく頷いた。



「痛いのはお腹だけ?」

「う、ん__っ」

「吐き気はない?」



ロロ君は首を縦に振った。


「朝何か口にした?」と少女に尋ねた。



「果物! 果物食べた! でも私も同じの食べたのにっ、何でっ__ロロだけ__っ」



ロロ君は元々調子が悪かったのかもしれない。発熱も嘔吐もないから食中毒ではないはず。


ダミアンさんは涙をボロボロ流す少女の背中を優しくさすってくれている。


私はベッドの脇に座り、そっと膝の上にロロ君の頭を乗せた。



「苦いけど飲んだら楽になるから頑張って飲める?」



バッグに入れていた胃腸薬をロロ君の口元に運ぶと、ロロ君は小さな口を開けてくれた。粉が口に入ると苦さで顔を歪めたが、頑張ってお水で流し込んでくれた。



「偉かったね、よく頑張りました」



汗ばむ頭を撫でると、膝の上に置いていた手をギュッと握られた。頭で震える手を握り返して、ロロ君が落ち着くまでずっと頭を撫でていた。





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