求めよ、さらば与えられん
お風呂の後、神父様のお部屋に向かった。すると部屋にはロッシ先生も居て、2人は笑顔で招き入れてくれた。



「お邪魔してしまってすみません」

「邪魔ではないよ。 さぁ、こっちに来てお座り」



神父様の隣に座り、ふと昔の事を思い出した。教会でお祈りをしていると、いつも隣に座ってくれた神父様。ただ静かに側に居てくれる時、話を聞いてくれる時、不思議と神父様には私の心は筒抜けだった。



「私は外そう」



そう言って立ち上がろうとしたロッシ先生を止めた。



「ロッシ先生にも聞いてほしいんです」



今日の出来事を2人には正直に話した。ロッシ先生は私が王家の人間だとは知らない筈なのに、驚きはしなかった。


ロッシ先生は私の顔を見るなり「ははっ」と笑った。



「今日、教会に来た者がビーチェの事を“王女”と呼んでいたじゃないか。 だから今更話を聞いたとて驚きはしないよ」

「あんなの真に受ける人普通いませんよ!」

「そうかい? 私は妙に納得したよ」

「納得?」

「君はお日様の様な子だ。 それ故に良くも悪くも色んなものを惹きつける。 ビーチェからは何か特別なものを感じる。 長く旅をしてきたが、ビーチェの様な人間には早々巡り会う事はできない」





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