求めよ、さらば与えられん
昼間お見かけした時は一つに結んでいた髪の毛を、今は下ろしている。太陽の光の下ではキラキラしていた銀髪。間接照明の下ではとても艶やかに見える。



「何故お茶に誘われたか不思議に思っているだろう?」

「はい」



私はここに来てまだそんなに日が経っていない。長くマクブレイン城に勤めている人だって、国王陛下と2人でお茶をする機会のある人は少ないはず。それなのに私が呼ばれる理由が分からない。



「お礼が言いたかった」

「お礼……ですか?」

「あぁ、君の薬のおかげで以前よりも体の調子がいい」

「え? 薬? 何かの間違いではありませんか? 私の様な新入りが国王陛下のお薬を調合する事はありません」



国王陛下や貴族、お偉方の薬は班長以上の薬師じゃないと調合出来ない決まりになっている。緊急を要する事態や上官からの命令などが有れば別だけど、私はそのどれにも当てはまった事はない。



「リードに心臓病の薬を作る様言われなかったか?」

「薬室長からですか……?」



心臓病の薬……そう言えば、入って1、2週間くらい経った頃に言われたような?まだまだ覚えることがたくさんで、凄くいっぱいいっぱいだった時期だから、色んなことがうろ覚えだ。





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