俺様外科医と偽装結婚いたします
喧嘩して理解できないと腹を立てて、でも少しずつ彼の内側を知るたびに変わっていったんだ。
早朝。いつもの時間に一階へ降りて、姿を見せたお祖母ちゃんと挨拶を交わす。
力いっぱい玄関の扉を開けて外へと飛び出し、両腕を伸ばしてストレッチしている彼の姿を見つけて笑顔になる。
「環さん、おはようございます!」
見た目よりも筋肉質な身体に横から抱きつくと、環さんが優しく笑いかけながら私の頭を撫でた。
「おはよう、咲良」
彼の隣に並び直すとそれが合図となり、私たちは朝露できらきらと輝く道をのんびり走り出す。
ふたつの時間がゆったりと混ざり合い、私の身体は幸せで満ちていく。
互いの足音すらこんなにも心地いい。
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