ヤンキー社長の求愛
「…そんなことでいちいち呼び出さないで下さいよ」



そしてあたしがその言葉を付け加えてため息を吐くと、社長が言う。

またもや気にしていないような顔をして。



「いや、呼び出したのはそれだけじゃないよ。来月あたり、二人きりでハワイとかの南の島に行かない?」

「え、」

「りー子ちゃんと二人きりで海を満喫したいなぁって。で、そういえばりー子ちゃんてどんな水着着んのかなぁって思って、こうやって検索してたってわけ」



そう言って、「どう?行くでしょ?」と。

急にそんなふうに誘ってくる社長。

いやいや、確かに南の島は憧れますよ。けど急すぎやしませんか?しかも来月って!今月だってあともう10日もないよ!

あたしはそう思うと、社長に言った。



「…申し訳ありません、社長。そういうのはちょっと」

「え、海外だめ?じゃあ国内にする?沖縄って今気温どれくらいなのかな」

「…そういうことではなくてですね」

「…」



…万が一、その旅行を会社の誰かに目撃されたらマズイのよ。そもそもこうやって社長に好かれてることだって良く思われていないのに。

社長は気にならないのかな。

そう思いながらあたしが断っていると、その時またもや社長があたしの言葉を遮って、言った。

耳元で、囁くように。



「いいじゃん。行こうよ旅行。俺はりー子と行きたいな」

「!」

「社長命令。ね?決まり、」

「…っ、」



何故だろう。

言葉の内容はむちゃくちゃなはずなのに、耳元で囁かれるとつい頷きたくなってくる。

耳に社長の吐息がかかって、甘い空間にはいつも勝てないまま…。




【ヤンキー社長の求愛】




(ってかそういうのセクハラですよ)
(いいじゃん、どーせ俺達付き合ってるんだし)
(っ、ここでそれを言わないでくださいっ)
< 2 / 2 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

高桐先生はビターが嫌い。

総文字数/221,507

恋愛(学園)313ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
「この前、合コンで会ったコだよね?」 「…え」 教室のど真ん中で、あたしは新米教師と最悪な再会をした。 …こんな運命的な出会いなんて、全く望んでなんかいなかった。 でも… 「日向さんのことは、俺が守るから」 「なんかあったら遠慮なく俺を頼ってよ」 …そのビターな再会は、やがて極上のスイートな恋へと変わっていく。 ……なのに。 どうして、こんなことになったの……。 『純粋な新米教師×小悪魔女子生徒』 2人の禁断の恋をご覧あれ。 ※31.3.23 おまけ2ページ更新! (作品の執筆中に、ボツになった章のほんの一コマです)
兄貴がイケメンすぎる件

総文字数/205,112

恋愛(純愛)386ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
兄貴がイケメンすぎる。 たったそれだけの理由で、今まで彼氏にフラれ続けてきた主人公。 だけどそんな時、彼女の前に現れた…2人の男子生徒たち。 「一目惚れした!僕と付き合って!」 「俺、世奈が好き。大好き」 可愛くて、ふわふわしてて、だけどちょっと強引な彼か。 それとも、 カッコ良くて、頼れて、だけど不器用な幼なじみの彼か。 主人公、世奈が選ぶのは……どっち?
もっとちょーだい!

総文字数/1,961

恋愛(その他)4ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
何故か、主人公宅でお酒を飲む男が2人…。 「え…それだけ?」

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop