クローゼットに飛び込んだら、そこはイケメン天国(パラダイス)~これってもしやシンデレラストーリー!?
「カンナ…驚いただろう?」

暗い部屋の中に、ネイサンさんの静かな声が響く。



「はい。とても……」

「そうだろうな。
しかし、どうしてアルバートさんは話されたんだろう?」

「はい、私に話さないでいるってことは、私を一人前の男だと認めないということになるって…」

その言葉に、ネイサンさんがくすりと笑った。



「それは大変だったな。
……どうする?
もうおまえを追ってた奴らも十分に巻いたはずだし…アルバート様に本当のことを話すか?」

「え…?」

迷う……
今更、実は女でした!なんていうのもなんだか恥ずかしいし…
でも、一生、男として暮らすのもなにか大変そうだし…



(……『一生』?)



まだ、自分の置かれてる状況がよくわかってないっていうのに…



やっぱり、私はどうにかなって……死んじゃったのかな?
もう、家族のいるあの世界には戻れないんだろうか?って思ったら、なんだか胸が締め付けられた。



「カンナ…?」

「も、もう少し考えてみます。
少なくとも、今しばらくは私のことで、皆さんのお気持ちを動揺させたくありませんし。」

「……そうだな。
その方が良いかもしれないな。」

「はい……」
< 129 / 352 >

この作品をシェア

pagetop