クローゼットに飛び込んだら、そこはイケメン天国（パラダイス）～これってもしやシンデレラストーリー！？

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「さぁ、皆さん…出発しますよ！」

次の日の朝、私達はジョナサンさんの準備してくれた馬車に乗り込み、港に向かって出発した。
今回は、あらかじめ乗り物酔いの薬を飲んでおいたから、そんなには酔わないと思う。
だけど、その薬がものすごく苦くて…私はよほど変な顔をしてしまったらしく、みんなに笑われた。



昨夜はけっこう遅くまで起きてたのに、ジョナサンさんのテンションは高い。
元気な人だね、全く。



これからまた一か月ほど船に乗るのかと思ったら、気分が沈む。
一か月は、長いよね。
多分、私のいた世界だと、飛行機で数時間で行ける距離なんじゃないかな？



（私のいた世界…？）



そのことについては、いまだもやもやしたままで…どうなっているのかは、手がかりさえ掴めない。
考えたら不安になるし、考えても答えは出ないから、極力考えないようにはしてるけど…でも、心の奥底にずっと居座ってる。



ものは考えようだ。
今、元気で、一緒にいてくれる人もいて、お金の心配もないんだから、それだけでも良しとしないとね。



苦い薬のおかげか、酔うことはなかった。
少しうとうとしている間に、馬車は、港に着いていた。