北向き納戸 間借り猫の亡霊 Ⅰ
「わたし、どこらへんが似てます?」
「……声高に鳴いて近くまで来るのに、気を許してない。でもこの家を気に入ってる。カミナリも好き。あと、色」
「は? 色?」
哀切に寄り添おうとしていたから、つんのめった。思わず抗議すると、累がふっと笑う。しかたなく、凛乃は笑みを返した。
「つるこちゃんの写真、ないんですか」
累は自室までスマートフォンを取りに行くと、待受画面を凛乃の目の前につきだした。
キャットフードを食べているところを、隠し撮りらしく遠くからズームで撮ったらしい。痩せた三毛猫は艶のない短毛で、比率で言えば黒毛が多い。小首を傾げて、緑っぽい茶色の目でとんでもない方向を見ながら、不器用に口からキャットフードをこぼしている。
「……」
「いちばんかわいい写真」
手元にスマートフォンを戻して、累がとろけるようにつぶやく。
それ? それに似てるって?!
「……声高に鳴いて近くまで来るのに、気を許してない。でもこの家を気に入ってる。カミナリも好き。あと、色」
「は? 色?」
哀切に寄り添おうとしていたから、つんのめった。思わず抗議すると、累がふっと笑う。しかたなく、凛乃は笑みを返した。
「つるこちゃんの写真、ないんですか」
累は自室までスマートフォンを取りに行くと、待受画面を凛乃の目の前につきだした。
キャットフードを食べているところを、隠し撮りらしく遠くからズームで撮ったらしい。痩せた三毛猫は艶のない短毛で、比率で言えば黒毛が多い。小首を傾げて、緑っぽい茶色の目でとんでもない方向を見ながら、不器用に口からキャットフードをこぼしている。
「……」
「いちばんかわいい写真」
手元にスマートフォンを戻して、累がとろけるようにつぶやく。
それ? それに似てるって?!