北向き納戸 間借り猫の亡霊 Ⅰ
佐佑はニヤニヤ笑いながら庭から出て行った。入れ違いに、凛乃が縁側に戻ってくる。
「あれ、瀬戸さんは」
「帰った」
凛乃は赤いソファに視線を落として、大きく息をついた。
「急にどうしたんですか? ソファなんて出してもらって」
「こたつ周りがすっきりしたから置きたくなったけど、ひとりじゃむずかしかったから」
「言ってもらえればわたしが運びましたよ? 瀬戸さんにタダ働きさせなくても」
「重いから」
「瀬戸さんになら甘えるんですね」
「なにそれ」
ムッとして聞き返すと、凛乃はなにかを含んでうなずいた。「ほんとに、瀬戸さんの言うとーりだ」
「サスケがなんて?」
「照れると怒ってごまかすって」
そんなことはない、と言い返そうとしてやめた。それじゃあ怒るのとおなじだ。
「あれ、瀬戸さんは」
「帰った」
凛乃は赤いソファに視線を落として、大きく息をついた。
「急にどうしたんですか? ソファなんて出してもらって」
「こたつ周りがすっきりしたから置きたくなったけど、ひとりじゃむずかしかったから」
「言ってもらえればわたしが運びましたよ? 瀬戸さんにタダ働きさせなくても」
「重いから」
「瀬戸さんになら甘えるんですね」
「なにそれ」
ムッとして聞き返すと、凛乃はなにかを含んでうなずいた。「ほんとに、瀬戸さんの言うとーりだ」
「サスケがなんて?」
「照れると怒ってごまかすって」
そんなことはない、と言い返そうとしてやめた。それじゃあ怒るのとおなじだ。