北向き納戸 間借り猫の亡霊 Ⅰ
凛乃は叫んで、床を踏み鳴らしながら魔境に逃げこんだ。入ってすぐなにかにつまづいて、近くにあった段ボールに手をつく。なにかの箱はつぶれて、なにかの山はガラガラと崩れた。
「だいじょうぶ?」
開いていたドアから累が顔をのぞかせる。
「な、ん、で、も、ない、です」
姿勢を整えているうちに、累が部屋に入ってきた。視線を天井に逃がす凛乃の横で、後ろ手に隠していたTシャツを出す。
「すごい。道ができてる」
Tシャツから頭を出しながら称えてくれたから、凛乃はふてくされながらうなずいた。
狭い通路の入り口で、累が凛乃を追い越す方法を模索して、モグラ叩きのモグラみたいな動きをする。凛乃が壁際に寄ると、両手を左右に広げてバランスを取りながら部屋に突っこんでいく。
「あ、これ、ここにあったっけ」
座ったまま回転できる座椅子を見て、累がつぶやいた。置いた記憶も曖昧らしい。使いこんであるその座椅子は、普通に考えて累の愛用品じゃない。
「だいじょうぶ?」
開いていたドアから累が顔をのぞかせる。
「な、ん、で、も、ない、です」
姿勢を整えているうちに、累が部屋に入ってきた。視線を天井に逃がす凛乃の横で、後ろ手に隠していたTシャツを出す。
「すごい。道ができてる」
Tシャツから頭を出しながら称えてくれたから、凛乃はふてくされながらうなずいた。
狭い通路の入り口で、累が凛乃を追い越す方法を模索して、モグラ叩きのモグラみたいな動きをする。凛乃が壁際に寄ると、両手を左右に広げてバランスを取りながら部屋に突っこんでいく。
「あ、これ、ここにあったっけ」
座ったまま回転できる座椅子を見て、累がつぶやいた。置いた記憶も曖昧らしい。使いこんであるその座椅子は、普通に考えて累の愛用品じゃない。