北向き納戸 間借り猫の亡霊 Ⅰ
反抗する意欲は、ぶつりと途切れてしまっていた。凛乃は傘とサンドタイマーが入ったバッグを交換し、累の横に並んで歩きだした。
雨はまだしっかり降っていたけれど、受ける傘の下は、不気味なほど静かだ。
足を引きずるように歩く凛乃の歩調に、累は合わせてくれている。横目では肩のあたりまでしか見えない。
あれ? どうしてわたし、累さんを好きになっちゃいけなかったんだっけ?
バッグの重みに引っぱられてぶらぶらと揺れている累の左腕に、そっと触れたくなる。右手で傘を持っていなかったら、そうしていたかもしれない。いますぐ持ち替えることもできる。
でもダメだ。
「なにを買うつもりだったんですか?」
帰り道にひとつしかないコンビニエンスストアの前で立ち止まると、累に問いかけた。累は左斜め上を見上げている。考えているくらいだから、ここには寄ってない。
「アイス食べません? ご馳走します。今シーズン10回目の不採用記念です」
返事も聞かずに店内に入って、アイスケースを覗きこむ。さっきマンガ喫茶でムダ遣いしたから、高級アイスには手が出ない。
雨はまだしっかり降っていたけれど、受ける傘の下は、不気味なほど静かだ。
足を引きずるように歩く凛乃の歩調に、累は合わせてくれている。横目では肩のあたりまでしか見えない。
あれ? どうしてわたし、累さんを好きになっちゃいけなかったんだっけ?
バッグの重みに引っぱられてぶらぶらと揺れている累の左腕に、そっと触れたくなる。右手で傘を持っていなかったら、そうしていたかもしれない。いますぐ持ち替えることもできる。
でもダメだ。
「なにを買うつもりだったんですか?」
帰り道にひとつしかないコンビニエンスストアの前で立ち止まると、累に問いかけた。累は左斜め上を見上げている。考えているくらいだから、ここには寄ってない。
「アイス食べません? ご馳走します。今シーズン10回目の不採用記念です」
返事も聞かずに店内に入って、アイスケースを覗きこむ。さっきマンガ喫茶でムダ遣いしたから、高級アイスには手が出ない。