北向き納戸 間借り猫の亡霊 Ⅰ
「寝てて」
「でも」
「寝てないと怒る」
脅しが効いたのかあきらめたのか、凛乃は口をつぐんだ。
「動かないで」
言い残して、いったん納戸を出る。自室に行って戻ると、凛乃は目を閉じていた。かまわずタオルケットごと仰向けにさせると、上半身を抱き起こし、汗でじんわり蒸れた頭を自分の胸で受け止めた。
「ん」
身じろぎするのにかまわず、肋骨と膝裏に沿って腕を差し入れて、一気に抱き上げる。
「あの」
「落ちたら痛いよ」
それを恐れたわけじゃないだろうけど、凛乃は頭を累の肩に載せたまま、脱力した。納戸のドアを蹴飛ばし、横歩きで出る。ドアを開け放ったままの自室に入ると、再び動き出したエアコンから冷気が吹き出していた。
「でも」
「寝てないと怒る」
脅しが効いたのかあきらめたのか、凛乃は口をつぐんだ。
「動かないで」
言い残して、いったん納戸を出る。自室に行って戻ると、凛乃は目を閉じていた。かまわずタオルケットごと仰向けにさせると、上半身を抱き起こし、汗でじんわり蒸れた頭を自分の胸で受け止めた。
「ん」
身じろぎするのにかまわず、肋骨と膝裏に沿って腕を差し入れて、一気に抱き上げる。
「あの」
「落ちたら痛いよ」
それを恐れたわけじゃないだろうけど、凛乃は頭を累の肩に載せたまま、脱力した。納戸のドアを蹴飛ばし、横歩きで出る。ドアを開け放ったままの自室に入ると、再び動き出したエアコンから冷気が吹き出していた。