北向き納戸 間借り猫の亡霊 Ⅰ
「すいません」
 ベッドに身を横たえて、凛乃が謝罪を口にする。
「おれのほうこそ、ごめん。あんな暑いところにいたら体調崩すの、考えなくてもわかることだった」
「ゆうべ、髪を乾かさずに寝たので」
 言い訳に身を縮める凛乃に、自分のタオルケットもかぶせた。
「水分取って、あと、汗かいてるなら着替えて」
 凛乃が顔をしかめる。着替えたくたって、累が着替えを探し出してくることも、着替えさせることも、してほしくないからだろう。
「寝てて」
 累はもどかしさを振り切って凛乃に背を向けた。
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