北向き納戸 間借り猫の亡霊 Ⅰ
「先に断らなかったのは謝る。でもあれはキスじゃない。偽物の」
「本物とかそういうことじゃなく」
「舌も入れてないし」
我ながら、へたくそな誤魔化しだと思った。深いキスはさすがに自制した、という弁解じみた思いが口をついて出てしまった。
凛乃が頑なになっていくのが手に取るようにわかる。自分に失望して、目の前が暗くなる。
「そうですね。あれは医療行為ですね単なる。でも、間借りは終わりにします」
決然と、凛乃は宣言した。
「本物とかそういうことじゃなく」
「舌も入れてないし」
我ながら、へたくそな誤魔化しだと思った。深いキスはさすがに自制した、という弁解じみた思いが口をついて出てしまった。
凛乃が頑なになっていくのが手に取るようにわかる。自分に失望して、目の前が暗くなる。
「そうですね。あれは医療行為ですね単なる。でも、間借りは終わりにします」
決然と、凛乃は宣言した。