北向き納戸 間借り猫の亡霊 Ⅰ
説明終わりと同時に、累が目の前に来る。先のほうがぐるんぐるん揺れていた傘をそっと掴まれたとたん、凛乃はその場にへなへなと崩れ落ちた。
累が凛乃の傘を手繰りよせて、柄にへばりついた指を1本1本はがしてくれた。2本の傘を階段の踏面に引っかけると、片膝をついてかがみこむ。
「だいじょうぶ?」
「やだ、止まらない」
まだ震える凛乃の手が累の両手で集められ、そっと握りこまれた。凛乃はがんばって唇の端を引き上げる。
「チカラ入りすぎただけですから」
どうにか作れた笑みで言った。「よかった、累さんが無事で」
「……凛乃」
ふいにやわらかく引き寄せられたと思うと、
「怖い思いさせてごめん」
あくまで控えめに、身体を包み込まれた。
累が凛乃の傘を手繰りよせて、柄にへばりついた指を1本1本はがしてくれた。2本の傘を階段の踏面に引っかけると、片膝をついてかがみこむ。
「だいじょうぶ?」
「やだ、止まらない」
まだ震える凛乃の手が累の両手で集められ、そっと握りこまれた。凛乃はがんばって唇の端を引き上げる。
「チカラ入りすぎただけですから」
どうにか作れた笑みで言った。「よかった、累さんが無事で」
「……凛乃」
ふいにやわらかく引き寄せられたと思うと、
「怖い思いさせてごめん」
あくまで控えめに、身体を包み込まれた。