北向き納戸 間借り猫の亡霊 Ⅰ
ああは言ったけど、小野里さんに悪気がないことは感じてる。それがむしろ、少し困る。
凛乃は唇をゆがめて、溜息まじりに言った。
「では、部屋を見せてもらえますか?」
「住む部屋?」
「ぜんぶです」
累は目をまたたいたものの、無言で立ち上がった。まっすぐ和室へ行き、着物箪笥の一番下の抽斗をあけると、うしろをついてきた凛乃に中を見せるように、半身でふりかえった。
「……どうかした?」
問いかけられた凛乃は、あわてて和室の障子戸から手を離した。
「すみません、勝手に触って」
「いいけど、なんかうれしそう」
意外にしっかり看破されて、凛乃は正直に答える。
「いやー、初めて見たときからもしやとは思ってたんですけど、本物の擦り上げ猫間障子だぁーと思って」
凛乃は唇をゆがめて、溜息まじりに言った。
「では、部屋を見せてもらえますか?」
「住む部屋?」
「ぜんぶです」
累は目をまたたいたものの、無言で立ち上がった。まっすぐ和室へ行き、着物箪笥の一番下の抽斗をあけると、うしろをついてきた凛乃に中を見せるように、半身でふりかえった。
「……どうかした?」
問いかけられた凛乃は、あわてて和室の障子戸から手を離した。
「すみません、勝手に触って」
「いいけど、なんかうれしそう」
意外にしっかり看破されて、凛乃は正直に答える。
「いやー、初めて見たときからもしやとは思ってたんですけど、本物の擦り上げ猫間障子だぁーと思って」