北向き納戸 間借り猫の亡霊 Ⅰ
驚きの提案に、凛乃はぶるぶると首を振った。
「そういうわけにはいきませんよ。人様の元手で儲けるなんて、あくどい感じです」
「折半は? 手数料として」
「魅力的ですけど……甘やかしますねぇ」
半笑いで言うと、累は言い訳するように声を落とした。
「維盛さんの希望には程遠い採用条件だから」
「気にしないでください。わたしも希望には添えてません」
お互い申し訳ながっても仕方ない。凛乃と累の取り分が3:7に決まったところで、次の部屋に移った。
「ここは掃除しなくていいけど、一応」
仕事部屋には完全遮光らしいカーテンがかかっていて、初夏の午後だというのに薄暗かった。
となりほどじゃないけど、本や書類がとにかく多い。パソコンが載った立派なデスクと機能美が光るアームチェア、サイドチェストの上に小さな冷蔵庫、隅のほうに婚礼家具と思われる大きな衣装箪笥、そしてなぜか、スポーツジムで見るようなトレーニング機器がみっつも置いてある。
「これも、輸入代行のお仕事で?」
「こっちにあるのは、本業のほうのものばっかり」
「そういうわけにはいきませんよ。人様の元手で儲けるなんて、あくどい感じです」
「折半は? 手数料として」
「魅力的ですけど……甘やかしますねぇ」
半笑いで言うと、累は言い訳するように声を落とした。
「維盛さんの希望には程遠い採用条件だから」
「気にしないでください。わたしも希望には添えてません」
お互い申し訳ながっても仕方ない。凛乃と累の取り分が3:7に決まったところで、次の部屋に移った。
「ここは掃除しなくていいけど、一応」
仕事部屋には完全遮光らしいカーテンがかかっていて、初夏の午後だというのに薄暗かった。
となりほどじゃないけど、本や書類がとにかく多い。パソコンが載った立派なデスクと機能美が光るアームチェア、サイドチェストの上に小さな冷蔵庫、隅のほうに婚礼家具と思われる大きな衣装箪笥、そしてなぜか、スポーツジムで見るようなトレーニング機器がみっつも置いてある。
「これも、輸入代行のお仕事で?」
「こっちにあるのは、本業のほうのものばっかり」