北向き納戸 間借り猫の亡霊 Ⅰ
凛乃は小走りで累のあとを追った。
「あとは、ここ。維盛さんに寝てもらうところ」
「おぉ……」
納戸には、小さな窓がひとつと、マットレスしかなかった。隣室の物量を思えば、目をこすりたくなるからっぽさだ。
「ふつう、納戸にこそモノを置きませんか?」
「片づけた」
「魔境に放り込んだんですね」
「魔境?」
「あ、いえ、隣の部屋に」
「うん」
「ありがとうございます」
やればできるじゃんって言いかけたけど、やめた。せめてこの部屋だけは、と思ってくれたんだと考えたら、ちょっと胸を突かれた。
「あとは、ここ。維盛さんに寝てもらうところ」
「おぉ……」
納戸には、小さな窓がひとつと、マットレスしかなかった。隣室の物量を思えば、目をこすりたくなるからっぽさだ。
「ふつう、納戸にこそモノを置きませんか?」
「片づけた」
「魔境に放り込んだんですね」
「魔境?」
「あ、いえ、隣の部屋に」
「うん」
「ありがとうございます」
やればできるじゃんって言いかけたけど、やめた。せめてこの部屋だけは、と思ってくれたんだと考えたら、ちょっと胸を突かれた。