北向き納戸 間借り猫の亡霊 Ⅰ
ゆっくり中に入って、マットレスに触れてみる。表面に汚れはないし、ちゃんとスプリングの効いた、ふつうのシングルサイズだ。
「見た目じゃわからないけど、真ん中より下のあたりに一カ所、スプリングがからまってて、身体にぶつかるところがある」
「小野里さんとは体格がちがうから、わたしはうまくよけられるかもしれませんね」
「どう?」
尋ねる累の瞳が翳っている。
助ける手が必要なのはわかった。その手はどんな手でもいいわけじゃないことも、なんとなくわかった。
凛乃は頭上を見あげた。
「勾配天井だとは思いませんでした」
「勾配天井?」
「こういう、屋根の傾斜に沿ったナナメの天井です。寝てみたかったんですよね、こういう部屋で」
「見た目じゃわからないけど、真ん中より下のあたりに一カ所、スプリングがからまってて、身体にぶつかるところがある」
「小野里さんとは体格がちがうから、わたしはうまくよけられるかもしれませんね」
「どう?」
尋ねる累の瞳が翳っている。
助ける手が必要なのはわかった。その手はどんな手でもいいわけじゃないことも、なんとなくわかった。
凛乃は頭上を見あげた。
「勾配天井だとは思いませんでした」
「勾配天井?」
「こういう、屋根の傾斜に沿ったナナメの天井です。寝てみたかったんですよね、こういう部屋で」