北向き納戸 間借り猫の亡霊 Ⅰ
「冷たいままですか? あっためますか?」
「そのままでいい」
ガラスコップと自前のマグカップに牛乳を注ぐ。
「ありがとう」
ガラスコップを累に渡してから、新しいパンが焼けるまでのあいだ、凛乃はトースターのまえにたたずんだ。
つい先日出会ったばかりのひとと、いっしょにごはんを食べるってヘンな感じ。
ゆうべは初日だからということで、夕飯作りは免除されて、ピザを取ってもらった。円グラフが刻々と変わっていくあいだ、お互いにひとことも出てこない時間が心底きつくて、はやばやと住み込みを後悔していた。
でも今朝は、しぜんに会話ができている。“瀬戸佐佑”という共通話題ができたことで、お互いを凝視していないで済む。
それに、どうせ素性もよくわからない同士、なんでも聞けばよかったんだ。聞けば答えてくれる人だったから。
「そのままでいい」
ガラスコップと自前のマグカップに牛乳を注ぐ。
「ありがとう」
ガラスコップを累に渡してから、新しいパンが焼けるまでのあいだ、凛乃はトースターのまえにたたずんだ。
つい先日出会ったばかりのひとと、いっしょにごはんを食べるってヘンな感じ。
ゆうべは初日だからということで、夕飯作りは免除されて、ピザを取ってもらった。円グラフが刻々と変わっていくあいだ、お互いにひとことも出てこない時間が心底きつくて、はやばやと住み込みを後悔していた。
でも今朝は、しぜんに会話ができている。“瀬戸佐佑”という共通話題ができたことで、お互いを凝視していないで済む。
それに、どうせ素性もよくわからない同士、なんでも聞けばよかったんだ。聞けば答えてくれる人だったから。