北向き納戸 間借り猫の亡霊 Ⅰ
眉間にシワを寄せて累が顔を上げる。
瀬戸さんのことになると、表情が動くんだよなあ。
あきれながら、凛乃は「でもドア開けてません。連絡先は教えてもらいましたけど」
シワがもっと深くなった。
「捨てて」
そう来ると思った。
凛乃は用意していた反論を取り出す。
「でも、ゴミ捨てとか町内会のこととかお願いするのに、連絡先知らないと困ります」
「おれには訊かないのに」
拗ねたような言いかたに、凛乃は一瞬ぽかんとした。
「だ、だって小野里さんはぜったいここに帰ってくるじゃないですか。わたしもいまはここにいるし、ぜったい会うじゃないですか」
「でもどっちかが外に出てるときに緊急事態が起きたら?」
「そうですけど、わたしのだって知らないじゃないですか」
「知ってる」
瀬戸さんのことになると、表情が動くんだよなあ。
あきれながら、凛乃は「でもドア開けてません。連絡先は教えてもらいましたけど」
シワがもっと深くなった。
「捨てて」
そう来ると思った。
凛乃は用意していた反論を取り出す。
「でも、ゴミ捨てとか町内会のこととかお願いするのに、連絡先知らないと困ります」
「おれには訊かないのに」
拗ねたような言いかたに、凛乃は一瞬ぽかんとした。
「だ、だって小野里さんはぜったいここに帰ってくるじゃないですか。わたしもいまはここにいるし、ぜったい会うじゃないですか」
「でもどっちかが外に出てるときに緊急事態が起きたら?」
「そうですけど、わたしのだって知らないじゃないですか」
「知ってる」