浅葱の花にとまる蝶
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しばらく歩いて着いたのは、入口に「壬生浪士組」という表札がかけられた長屋だった。
「このまま土方さんのとこ行きましょうね〜!」
(土方って土方歳三…もう何も言わん。)
びっくりすることを放棄した蝶だった。
屯所に入るや否やドタドタと恐らく土方さんの部屋であろう方向に向かって一直線に駆けていく沖田さん。
「蝶さ〜ん!こっちですよ〜!!」
「今行きます〜!!」
(ちょ、そんな走る!?)
(こっちは廊下を走っちゃいけないっていう教えはないのかな…)
少し歩くと沖田さんが一つの部屋の前で止まった。
え?私?歩きましたよ、勿論。
初対面の人の家を走り回るほど礼儀知らずじゃないので。
…初対面じゃなかったらやるのかと言うツッコミは受け付けません。
「蝶さん!!ここが土方さんの部屋です!!」
(ちょっとそんな大きな声で騒いだら…)
部屋の前から大声で言う沖田さんに少し注意しようとしたその時。
スパーンっと大きな音を立てて目の前の襖が空いたかと思えば、
「そおぉぉぉじてめぇごらぁぁぁあ!!!!うっせぇーんだよ廊下を走るなって何回いったら理解しやがんだてめぇはよぉ!!!!」
鬼が出てきた。
(み、耳、キーンってなってるから!)
「ちょっと土方さんだめですよ。襖は静かに開けてください!」
どうやらこの人はこれが土方歳三かと浸る間も与えてくれないらしい。
(お前が言うな、お前が!?)
すると土方さんも同じことを思ったのか、額にピキっと青筋を浮かせて
「てめぇが言うんじゃねぇぇぇぇえ!!!!!」
と、発狂した。
(ですよねぇ!!)