浅葱の花にとまる蝶
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土方さんのお部屋にお邪魔して、奥に土方さん手前に沖田さんと私が向かい合うような配置で座った。
それから沖田さんが巡察の報告と都であった事(主に私が刀相手に丸腰で相手をのした事)について報告をしていた。
その間私は特にすることも無く目の前の偉人を観察することにした。
(へぇ〜…沖田さんとはまた違ったかっこ良さだなぁ…)
土方さんはまさに鴉の濡羽色と言う様な真っ黒で艶々で美しい髪をしていた。
髪型は例に漏れずポニーテールだ。
眉間にはくっきり三本皺が寄っていて、瞳は鋭い眼光を放っている。
背丈は沖田さんより少しばかり高くて引き締まっている。
沖田が美青年なら、土方は美丈夫と言えるだろう。
(これは女の人にもてもてなのも分かる。)
史実では土方歳三はたいそう美しく島原などの遊郭では多くの遊女に求められた、と記されていた。
(土方さんは来る者拒まず去るもの追わずなドライな人なんだよね〜…)
そんな事を考えているうちに沖田さんが報告を終えたらしい。
「事情は分かった。ご苦労だったな。だが結局何でこいつを連れてきたんだ?」
土方さんが巡察終わりの沖田さんに労いの言葉をかけるが改めて疑問を口にする。
(うん。それは私も謎だった!)
ただ着いてこいと言われたから着いてきたのだ。
理由くらい教えて欲しい。
すると沖田さんが少し俯いて
「あぁ、僕が聞きたい事があったからです」
そう言いながら私の死角だった場所から出したのは…
「これ、一体なんですか?蝶さん。」
忘れていた私のリュックだった。