浅葱の花にとまる蝶
(あ、やっぱり沖田さんは知ってたんだな。土方さん、ご愁傷さまです。)
転げ回って笑う沖田さんだが、土方さんは石化したまままだ復活しない。
(まだ疑ってるのかな?)
「梅の花「信じた!!!!!!!」」
それならと代表的なものを一つ言おうとした矢先、復活した土方さんに止められた。
「ほ、ほんとですか!!」
「あぁ、お前が未来から来たことは信じる。だからもうその話は終わりだ!総司もいい加減黙りやがれ!!」
(よし!豊玉さん効果恐るべしだな…)
まだひぃひぃ言っている沖田さんをひと睨みした後、私に向き直った土方さんはとても疲れた顔をしている。
心做しか少し顔も赤い。
(ちょっとやりすぎたかな…)
「おい総司、こいつの処遇について話し合う。幹部連中を広間に集めてくれ。」
「はぁ。しょうが無いなぁ。」
「ッチ、とっと行ってこい!!」
ほんの少し反省していると土方さんの聞き捨てならない言葉が聞こえた。
「え、処遇って?信じてくれたんじゃなかったんですか!?」
すると土方さんは眉間に皺を寄せて、
「未来から来たってぇのは半信半疑だが最初ほどうたがっちゃいねぇよ。」
「じゃあなんで…」
「百歩譲ってお前がほんとに未来っつう所から来たなら俺たちのこれからも知ってる事になる。だろ?」
それに関しては土方さんの言う通りで、私は大抵の出来事がいつ起こるかまで記憶している。
(あ、そう言うことか)
理解した。
つまり、未来を知ってる私は土方さんにとって危険人物ってわけだ。
(敵方に渡ったりしたら困るもんね…)
「理解したな?そう言うことだからお前のこれからについて話し合う。殺しはしねぇがここから出す事はないと思え。」
(どうせ行くとこも無いし、何でもいいや)
未来から身一つで投げ出されて気づいたらここに居たのだ。
当然身を寄せる場所や暮らし方なんかも分からない。
「了解です!」
(それに、新撰組で暮らせるなんてオタク冥利に尽きるってもんよ!!)
…9割方こっちが理由だったりする。
そんな私を不思議に思ったのか土方さんは、
「了解ですって、俺はお前をこっから出さねぇっったんだぞ?意味わかってんのか?」
眉間に皺を寄せて聞いてきた。
(その顔癖なのかな?)
「だってここから追い出されちゃったら行くとこ無いですし、むしろ有難いです!」