悪役令嬢ですが、チートが目覚めて溺愛されています

「わ……わかりました……やってみます……」

「本当か。よかった。よろしく頼む」

 雰囲気に流されて頷いてしまったアリスに、ルークは初めて笑いかけた。

 破壊力抜群の笑顔に、アリスは下唇を噛んだ。

(くっそ~! ルークがこの顔じゃなければ、ごねてごねて、実家に帰ってやったのに!)

 ただひとつ救いなのは、無愛想だと思っていたルークが意外にいい人そうだということだ。

(仕方ない。来てしまったからには、それなりに生活していこう。できるだけ、楽をして)

 ルークと見つめ合っていると恥ずかしくなってしまうので、アリスはぷいっと顔を背けた。

< 56 / 215 >

この作品をシェア

pagetop