悪役令嬢ですが、チートが目覚めて溺愛されています
「わ……わかりました……やってみます……」
「本当か。よかった。よろしく頼む」
雰囲気に流されて頷いてしまったアリスに、ルークは初めて笑いかけた。
破壊力抜群の笑顔に、アリスは下唇を噛んだ。
(くっそ~! ルークがこの顔じゃなければ、ごねてごねて、実家に帰ってやったのに!)
ただひとつ救いなのは、無愛想だと思っていたルークが意外にいい人そうだということだ。
(仕方ない。来てしまったからには、それなりに生活していこう。できるだけ、楽をして)
ルークと見つめ合っていると恥ずかしくなってしまうので、アリスはぷいっと顔を背けた。