悪役令嬢ですが、チートが目覚めて溺愛されています
翌日から、隊員たちは更に働いた。
元農家や元畜産家の隊員が他の隊員に指示を出し、運営は順調な滑り出しを見せた。
「あいつらは次男や三男坊で、実家を継げずにあぶれたんだ」
「いいわね。彼らを昇格させましょう」
隊員たちは日に日に豊かになっていく食生活に歓喜の声を上げた。
「卵だ卵だ!」
「牛乳も生野菜のサラダもある」
「干していない肉なんて、何年ぶりかなあ」
アルコールを制限されても、じゅうぶんな食事と運動で、ストレスはさほど溜まらないようだ。
ちなみに料理は、少年の頃料理が趣味だったという隊員が取り仕切っている。彼は料理長に任命された。
ルークとアリスは寝る直前までルークの執務室で話しあった。と言っても甘い恋の話などではなく、ほとんどが警備隊の運営に関することだ。
「若くても有能な人材はどんどん取り立てたい」
「逆に古くて無能な人材は、スッパリ斬り捨てられたら楽なんだけど」
「それは言うなよ……」
アリスは冗談を言ったつもりだったが、ルークは目の上のたんこぶ、ジョシュアのことを言われたと思ったのだ。