病んでる僕と最強の勇者たち
「クックックッ……。

グワァ、ハッハッハッ!」



ダーギルの不気味な笑い声は、このお城の最上階のフロアーの北の方から聞こえてきていた。



僕はダーギルの笑い声を聞きながら、最上階のフロアーの北の方に目を向けたが、そこにはまだ誰もいなかった。



でも、ダーギルの笑い声は、間違いなく僕が目を向けたその場所から聞こえてくる。



僕がダーギルへの警戒心を深めながら、笑い声が聞こえてくる場所をじっと見つめていたとき、お城の最上階のフロアーの床に、真っ黒な丸い影が現れた。



そしてその黒い影の中から大きな翼を持つ黒色のモンスターが現れた。



そのモンスターは、二本の黒い角を持ち、鋭い牙を光らせ、真っ赤な二つの目で僕たちをにらんでいた。



僕はそのモンスターを見上げながら、そのモンスターの大きさに驚いていた。



(体長が四メートルはありそうなこの黒色のモンスターが、闇の魔王、ダーギルなのか……。

この真っ黒な禍々しいオーラを見ただけで、ダーギルの強さが伝わってくる。

ダーギルは間違いなく強敵だ。

僕たちの最後の戦いが、今から始まる)



ブライアンが戦線離脱している今、リリー、マギー、そして僕の三人が、闇の魔王、ダーギルと向かい合っていた。



僕たちの力を合わせれば、ダーギルに必ず勝てる。



僕はそう信じていた。
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