ライオン王子に飼われたネコさん。
あれはフラグだったのだろう。
彼女と逸れてしまった。
(ダンス断らなきゃよかった。)
ディスコルームに連れられた。
音楽に合わせて自由に踊ればいいだけなのだが、真白の性格上、酔ってもいないのにテンションを振り切って踊ることはできなかった。
それも、知りもしない人とキスをするなんて絶対にできない。
酔っ払いのテンションなのか、曲が終わる頃にみんな必ずと言っていいほど誰かにキスをする。
映画やドラマの世界なら「ヒューッ」とひやかすところのではあるけれど、実際自分がその立場に置かれるのは別の話だ。
自分の身を守るためにも写真係をしたいと申し出て、レイチェルとその友人をカメラ越しに追っていたのだがいつの間にか見失った。
それが良くなかった。
全体的に薄暗くてよく見えず、声も音楽にかき消される。連絡も繋がらない。
一人でいるせいか、さっきから酔っ払いには絡まれるしダンスホールにも連れて行かれそうになっている。
これ以上闇雲に探しても埒があかないし、身の危険も感じ始めたので連絡が来るまで外で待つ他なかった。
「真白!」
呼ばれてパッと顔を上げれば、レイチェルの同級生、マイケルだった。
真白は思わず顔を顰めてしまうのを必死で我慢した。
マイケルは大学の所謂カースト上位グループに所属し、長身に金髪碧眼、チャーミングな笑顔と人好きのする性格で彼自身もかなり人気のある人だ。
来年の春頃に卒業予定だが、彼のような人たちがこのパーティに呼ばれないはずがない。
優しく、カッコいい彼を嫌う人などあまりいないけれど真白はどうも苦手だった。