ライオン王子に飼われたネコさん。
           ***

大学三年生の十二月。

大学の授業課程の一つで一年間アメリカに留学している時のことだった。

一般的には五月辺りに卒業シーズンなのだが、ホームステイ先の次女レイチェルは十二月に大学を卒業した。

彼女のお金持ちな友人が盛大な卒業パーティーを開くというので、「真白もおいでよ!ドレスは姉のを借りましょ!」と連れてきてくれた。

……のはいいものの、日本にある真白の実家の何倍、いや、何十倍の広さの豪邸には思わず絶句した。

ポップで大音量のミュージックが流れる広大な庭にはそこかしこにパーティーバルーンやイルミネーションで飾り付けられ、丁寧に剪定された庭の木々は本来は品よくそこに存在しているのだろうが、今日だけは若者向けの仕様になっている。

それでもセンスは失われておらず、大抵の日本の女子大生ならスマホ片手に歓声をあげるようなお洒落な空間。

バーやブッフェ、給仕係、巨大なプールにダンス。
まさにザ・パーティーと言える場。

真白には縁遠い世界がそこに広がっていた。


「真白!私から離れないでね!」

彼女は何度もそう言った。

この豪邸で、この人の多さだと迷子になったら探すのが大変なのだろう。

真白は何度も言い聞かせられる度にしっかりと頷いた。
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