ライオン王子に飼われたネコさん。
理由は簡単。

留学当初からやたらと目をかけられているせいで色々と被害を被ったから。

「一人?レイチェルと来たんじゃないの?」

「……あー、そうなんだけどはぐれちゃって。だから、連絡が来るまで待ってるところ」

だから放っておいてくれ、という雰囲気を醸し出し、そっぽを向く。とにかくこの場を早く去って欲しかった。

「一人でいるのは危ないから僕も一緒にいるよ。そうだ!いいところがあるんだ!こっちだよ!」

「ちょっと!」

優しくはあるが決して振り解けない力でぐいぐいとどこかへ向かうマイケルに声を荒げて抗議してやろうとすると、彼は振り返った。

「君、騒がしいところ好きじゃないだろ?でも、静かな場所が分からない。だからこんな中途半端な廊下で佇んでた。いっとくけど、今の君、ナンパ待ちだからね?」

ディスコルームを出ても、確かにやたらと声をかけられた。

日常会話は問題ないのだが、酔っ払った現地人の容赦ない早口とスラングに追いつけるはずもなく、とにかく拒否の姿勢だけを崩さなかった。

面倒だと思っていたら、まさかナンパだったとは。

「ね。大人しく着いてきて」

爽やかな笑みでマイケルは返事も待たずに真白を引っ張っていった。
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