ライオン王子に飼われたネコさん。
結局、マイケルとお酒を飲みながら待つことにした。
彼が話し上手なおかげで話が途切れることはなかった。それに、寒くはないかだとか、水を飲むかとか、気遣いも完璧で、モテる理由が分かる。
これまで警戒していたことを申し訳ないくらい、彼は良い人だった。お酒の影響もあって警戒心はゼロに近くなっていた。
「真白はさ、日本に恋人いないんだよね?好きな人は?」
「どっちもいないし、いたこともない」
「よかった」
「よかった?」
真白としては周りの友人達から置いてきぼりにされたようでちっとも良くない。
誰でも良いわけではないが、誰か一人、心から好きになった人に出逢いたいとは常々思っている。
「あー、そういうことじゃなくてさ、気づいてるだろ?」
困ったように笑うマイケルに真白は何も言えない。
薄々もしかしたら、と思わないわけではなかった。
やたらと声をかけて来るし、時折熱っぽい視線を向けられているような気もしていた。
それが苦手だった。
何かの気まぐれや、気のせいだと思っていたかった。
「……申し訳ないけど、気持ちには応えられない」
「どうして?好きな人いないなら、試しにでもいいんじゃない?」
「誰でも良いならきっと今、頷いてる」
ここでOKを出さないのは、理想が高いだけなのか、それともまだ出会っていないだけなのかは分からないが、誰でも良いわけではないことだけは確かだった。
「……そっか。僕、振られたことないんだけど失恋かー」
苦々しく笑って、カクテルを一気に飲み干すマイケル。真白も残りちょっとを飲み干した。