ライオン王子に飼われたネコさん。
ドサっと上から下に落ちる感覚がした。それからすぐにフワッと体が沈み込むような柔らかな感触。
フワフワとしているのは体か。
それとも触れているものか。
感触を確かめるように周囲に触れる。
頭にはクッション、スプリングに跳ねた背、足元に雲のようにフワフワで触れれば空気が抜けるように凹む羽毛布団。
(あー、なんかホテルのベッドみたい。)
快適すぎる環境は眠りを誘う。
深く深くもう一度意識が落ちようとした時、首にくすぐったい感触がし、それが少しずつ鎖骨に移動する。
怠い手をなんとか動かしてそれを跳ね除けようとした。
「あれ?起きちゃった?潰したつもりだったんだけどなぁ」
(………マイケル?)
どうして彼の声がするのか。
重い瞼を開ければ、目の前にマイケルが覆い被さっていた。
「な、にして」
声が震える。
両手は顔の横に置かれ、四方が塞がれた状態で、背後はベッド。この状況を経験したことがなくても、どういう状況かは分かる。
ここが"あの部屋"だということも。
「カクテル飲んで寝ちゃってさ。ダメだよ?気のある男の前で酔い潰れちゃうなんて……襲ってくれっていってるようなもんだ」
影が濃くなり、近づく顔を思わず手で防ぐもあっという間に押さえつけられ、近づいてくる。
「誰か!!」
「誰にも聞こえないよ」
優しい声色なのに、恐怖しか感じない。
顔を背けて枕に顔を押し付けると舌打ちが聞こえて来て、諦めたように首筋に唇が落ちて来た。
瞬間、ゾワリと鳥肌が立つような気持ちの悪い感覚に支配される。
(イヤだ!!)
なんとかしてこの状況を打破しなければならないのに腕はびくともしない。
涙目になりながら、首から下へ降りていく頭を見て、彼の腰が上がっていることに気づいた。
比較的自由な足を曲げ、思いっきり上に振り上げる。
膝に嫌な感触がしたと同時に、マイケルの呻き声がして大事なところを押さえながら横に倒れた。