ライオン王子に飼われたネコさん。
気づけば月と男がそれぞれ別の方向から真白を見下ろしていた。

ぶつけないようにしたのか頭の下にあった男の大きな手が離れ、頭からお尻までが出窓に寝そべり、足だけが投げ出された状態になっていた。

間近で美人に見下ろされるこの状況に涙も思考も止まる。

「あ、の」

何をするつもりなのか聞こうとした瞬間、ドレスの裾が捲られた。

身体中の血が一気に巡り体がカッと熱くなるのと、恐怖で震えるのは同時だった。

「いや!!」

男の胸を押す。

マイケルの時と同じでびくともしない。

(最低!最低!最低!男なんてみんな最低!)

初めて会った男に期待する方がおかしいのに勝手に落胆して、引っ込んだはずの涙が出て来た。

その涙が何故か、男によって優しく拭われ、見上げる。

冷ややかで落ち着いた目が真白を見つめていた。

それを見ていると、荒れ狂っていた感情が男の瞳と同化するように落ち着いていく。

「泣くならもっとそれらしい声を出せ。それができないなら黙って足を腰に回せ」

男の体は真白の足の間にあり、大きく足を開かされていた。

この状況が既にとんでもなく恥ずかしいのに、腰に足を回せなんて恐ろしいことを言う男を涙目で睨みつける。

「早く」

有無を言わせぬ物言いと瞳に真白はゆっくりと彼の腰に足を回した。

彼は満足そうにニヤリと笑ってカーテンを引っ張り、キスをした。
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