ライオン王子に飼われたネコさん。
揶揄われたせいか、何だか無性にイライラする。

「頼まれたら誰にでもあんな事するんですか?」

「さぁ。その時の気分」

あっけらかんと答えた男はニヤリと綺麗な唇を歪めた。

「あと、好みの女なら」

また揶揄われた。
分かっているのに、こういった免疫が少ないせいで心臓がバクバクと音を立てる。

「留学期間はいつまで?」

「来年の、三月」

「アイツとはその期間被らねーの?」

「被ります」

一瞬にして血の気が引く。
今撃退できても、この先がある。

レイチェルたちも卒業してしまったし、自分の身を守れるのは自分だけになってしまった。

そこまで考えていなかった。

残り三ヶ月もないならどうにでもなりそうだが、マイケルは真白の行動を把握している節がある。

思えば今日も、これだけ広い邸宅でたまたま出会ったにしては彼ほど人気な人が一人でいたのはおかしい。

「どうしよう」

どうやって残りの期間を耐え抜くか。


「彼女にしてやろうか」

「………はい?」

高慢な言い方をしても王子のような容姿をした彼には様になっていて、思わず頷きそうになったことが悔しい。

だが、何よりも困惑が割合を占める。

「そうすれば、さっきみたいにアイツは逃げ出すだろうし、お前に近づくことさえできないと思うけど?」

確かにこの男の視線一つ、言葉一つで逃げ出した。
効果は抜群だろう。

「それって、三月まで私の彼氏のフリをしてくれるってことですか?」

「……取り敢えずは」
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