ライオン王子に飼われたネコさん。
それから真白が留学を終える三月まで怜音は宣言通り恋人として側にいたし、約束通り最後まで手は出さなかった。
その間、怜音にとって得とは何かと必死で考えてはいたのだが、飛び級の彼とは履修過程が違いすぎて大学関連で役に立つことはなく、明らかにお坊ちゃんな怜音に手に入れられないものもなく、唯一役に立てそうなのが家事だけだった。
後は、授業や用事がある時以外は大体一緒にいたので段々と何が好きで何が嫌いかが分かってきて、何となく彼のご機嫌の取り方もわかってきた。
真白にはそれくらいしかできなかった約三ヶ月間だった。
その三ヶ月、無性に腹立たしい時は何度かあれど、とても楽しかった。
ランチを食べるのも、勉強をするのも、ぼーっと映画を観るのも、ただ一緒にいるだけということが楽しくて、隣にいることが何故だか落ち着く。
落ち着くと言っても大学内外問わずキスをされたり、ふと笑顔を見せられたり、車を運転しているときだったり課題をしている時の真剣な表情には何度も心臓は狂わされ、その度に死にそうになったものだが。
いかに恋愛音痴でも三ヶ月もあれば流石に怜音が好きなのだと気付かされた。
けれど、これは期間限定の偽物で、期限が来れば終わり。
これは一時の夢だということを理解していた。
だから想いを伝えることもなく、終わった。
ただ、彼から与えられたものは数知れないのに真白がしてあげられたことは僅かなもので。
何か一つ、怜音にとってあの三ヶ月間が彼にとってメリットとなるようなことがあればよかったのに、何一つそれらしいことができなかったことだけが心残りだった。