ライオン王子に飼われたネコさん。
卒業おめでとうという気持ちを込めて心ばかりのお菓子を買って渡し、二人でそれをつまみながら別れてから今日までの話をした。
就職はどこに決まりそうだとか。
あれからアメリカでの生活はどうだったかとか。
離れた間のお互いの知らない時間を埋めるように。
まるで終わったはずの関係が今でも続いているかのように。
(……その思考は危ないな。)
終わったものは終わった。
「……今日、どうして呼んだの?」
「どうして、か」
何がいけなかったのか、少し不機嫌そうに眉を寄せたかと思えば真白を置いてどこかへ行ってしまった。
どうするべきか分からず、中途半端に立ち上がった姿勢でオロオロしていると怜音は何事もなく帰ってきた。
それにホッとしてソファに座り直すと、膝に紙袋が乗せられる。
独特で高級感のあるブルーの紙袋はアメリカに本店がある有名ブランド。
困惑の表情で隣に座る怜音を振り返る。
「何これ?」
「誕生日プレゼント。六月って言っただろ」
「覚えて……って、いや、言ったけど」
「帰国する時に俺だけ貰ってるのが癪なんだよ」
「帰国する時?……あ、」
三ヶ月間、マイケルから守ってくれたこと、一緒にいて楽しかったこと、全部に対してのお礼に金細工が施された琥珀のピアスを贈った。
普段彼が身につけているものに比べれば安価だし、ただの一般人のセンスなので使ってくれるかは分からないけれど、それでも怜音に似合うと思ったものを選んだ。
「受け取れない!だってあれはお礼だったし、割に合わなさすぎる!!」
「お前に買ったものだから受け取らないなら捨てるだけだ」
「そんな、」
この男ならやりかねない。
受け取らなければ捨てられる。