ライオン王子に飼われたネコさん。
「……開けてもいい?」
怜音が小さく微笑んだので、紙袋の中の細長い箱を取り出した。
開けてみると、シルバーチェーンにパールとダイヤが一粒ずつのネックレスだった。
三ヶ月前なら、これを貰っても誤魔化すためには仕方がないと思えたかも知れない。
けれど、今は恋人でもなければ友人とも言い難く、名前の付け方がわからない関係だ。
恋愛経験値が乏しすぎる真白でも、これはそんな関係で貰うには大それたものだと分かる。
けれど、受け取らなければ捨てられるというのなら、受け取るに決まってる。
好きな人が、誕生日に贈ってくれるというものを受け取れるなんて、そんなに幸せなことはない。
真白はなんだか泣きそうになりながら、暫くそのネックレスを見つめた。
「これが似合う女性になれるよう、頑張る」
艶々としたパールも煌めくダイヤにも見合うような女性がどんなものかは分からないけれど、今の自分はまだ見合っていない。
だからこそ、これに似合うように頑張りたい。
そう思っての発言だったが。
「似合わないものは渡さない」
するりと、手からネックレスを取られ、後ろを向けと言われて従う。
まさか、と思っているとふわりと怜音の香りに包まれた。
後ろから抱きしめられているような状態に一気に心臓が激しい音を立てる。動揺していることがバレないように息を潜めていると、カチリと音を立てた。
胸元のパールに恐る恐る触れてみる。
それから動かない真白の後ろでただじっと待っていた怜音だったが、焦れたように「気に入らない?」と聞く。
そんな訳はなく、真白は首を横に振った。
肩を掴まれ、振り向かされる。
泣きそうになって目は潤み、鼻は赤く、口は何かを堪えるように固く結ばれていた。
何故か怜音は「ははっ」と声に出して笑って、頬に手を伸ばした。