ライオン王子に飼われたネコさん。
サンダルのストラップをわざとゆっくり留める。
お礼のプレゼントを渡して終わったはずが、今日誕生日プレゼントを貰うことでお礼のお返しをされてしまった。
それなら、次は真白が怜音に渡す番。
渡して、渡されてをずっと繰り返すのではないかとさえ思うが、これは多分、貸し借りに似ている。
ずっと続くのではなく、どこかでスパンと切られるもの。
だから、きっと、これこそが最後なのだ。
思えば超絶美形のモデルとありふれた一般人とでは世界が違うのだから当然だ。
アメリカでのことは奇跡そのものだった。
時間も場所も行動も全てが一致していなければ怜音に出会うことはなく、共に過ごす時間もなかった。
三月にその奇跡の時間も終わったはずだった。
怜音が繋いでくれた。
今日は偶然ではなかったけれど、それでも真白からすれば奇跡だ。
本来ならば出会うことさえありえない人。
だから、ここで別れれば二度と繋がることはない。
どれだけゆっくりしても、サンダルのストラップなんてすぐに留め終わってしまう。
「……怜音は私といて何か得することあった?」
「あったよ。だからそのお礼も兼ねた」
「……そっか」
真白ばかりが良くしてもらったのにそれを返せていないように思っていた。それが気がかりだった。
だから、彼の方でも何かしら真白といて良かったと思えることがあったなら嬉しいことだった。
でも、嬉しくはなかった。
要するに、貸し借りで言うならば借りは返したということだったから。
愚かにも、まだ続いてほしいと思っていた。