ライオン王子に飼われたネコさん。
          ***

そして何だかんだと五年も続き、先月別れた。

(今思うと若いってすごいわぁ……。)

なりふり構わず思いのままに行動できたのは初恋に溺れた若い娘だったからできたことだが、五年経った今はどうだろうか。

二十台後半。世間的にはまだ若い。だけど、アラサー。学生の頃のような気力や体力はなくなってしまった。

それでも、欲しいもののためになりふり構わず行動することができるだろうか。

そんなことを考えながら、思い出すだけで恥ずかしい若気の至りは勿論カットしてルナに伝えた。

淡々と過去を語ったはずだったのだが、彼女には何かが刺さったのか楽しげだ。

「十分ドラマチックじゃない!素敵ー」

一般人の真白がモデルのLeoと付き合うこともそうだが、出会ったことさえ奇跡のような偶然。

周りから見れば劇的な恋物語と思われるのも分からなくはない。

けれど実際は、劇的に恋に落ちているのは真白の方だけで怜音の方ではそうではない。

真白は劇的な恋を刺激するためのスパイス的存在。

(もう間に合わないかな。)

ポツリと心の中で呟いた言葉にルナはクスリと笑い、聞かなかったことにした。

(それにしても、すごい執着よね。)

(我ながら、そう思います。)

五年も怜音を縛ったのだから。


(鈍感ってある意味幸せよね。)

(……馬鹿にしてます?)
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