ライオン王子に飼われたネコさん。

(ところで、その話は紅羽も知ってるの?)

話を逸らされたが、蒸し返しても仕方がない。

(知ってますよ。怜音の部屋に行くように後押ししたのが紅羽さんですから。)

(気まぐれにしてはずいぶん入れ込んでいると思ったら、紅羽はずっと真白の恋を応援してたのか。)

アメリカでは偽の関係とはいえオープンに過ごしていたけれど、日本ではそうはいかなかった。

もう二度と会うことはなくても好きでいることくらいは許されるだろうと思っていたら相手は芸能人。

誰にも相談できず、消化できず溜まっていく想いに息ができなくなりそうだった。

そんな時、唯一話せたのが魔女の家の女主人、紅羽だった。

友人や家族にさえ言えなかった。
しかも、あの当時、まだ出会って間もないのに不思議と彼女にだけは話せた。

いつも真白を優しく迎え入れて、どんなにつまらない話でも、どんなに遅くなっても最後まで話を聞いてくれた。

それは怜音と付き合う前も、付き合った後も。


(魔女は面白いことが好きよ。特に恋愛ものとかハッピーエンドのお話は大好き。だけどね、猫の魂を持つ魔女は大体気まぐれだし、他の動物の魂を持った魔女でも契約してまで他人に魔法を使うことって滅多にないのよ?)

(そうなんですか?)

(そりゃそうよ。自分に使うならまだしも他人に使う魔法なんて面倒だし、疲れるし、危険な目に合う可能性だって増えるわけだしデメリットばっかりだもの。)

昨日、ルナから聞かされた魔女狩りの話を思い出す。

ルナと紅羽は魔女狩りがあった時代を経験していないらしいが、歴史として伝えられている以上、彼女たちにとって正体がバレてしまうことは恐怖そのもの。

時代は変わっても、油断はできない。

紅羽は危険を承知で真白と契約を結んでいる。
< 125 / 137 >

この作品をシェア

pagetop