ライオン王子に飼われたネコさん。
「そうよ!」

風呂上がりの牛乳を一気飲みして机にドン、と割れそうな勢いで置いてからちょっとだけ後悔してそこが割れていないか確認してしまう。

五年付き合っていたって、そもそもの価値観が全く違うので何年経とうが彼の私物一つ一つに慣れるものなど存在しない。

今、真白の髪や肌が艶艶なのは全て彼の周りに当たり前に存在する高級品にありとあらゆる成分が配合されているからだ。

ドラッグストアで買えるチープなボディソープには色んな成分の配合割合がうんと少なく、効果は彼が使う高級品に比べて期待はできない。

彼に相応しくなく、あってはならないものなのだ。さながら、真白が彼の側にいる女に相応しくなかったように。

何年経っても怜音の価値観に釣り合わなかった。

高級品に対してもったいないと思ってちまちま使う真白とは違い、高級品だろうがなんだろうがすぐに手に入れ手放せる怜音。

未練がましくなってしまうのは真白の方で、怜音は絶対にありえない。

「ライオンだもの!猫科だもの!気まぐれに決まってる!だから真白!少しでもいい方に捉えようとするな!」

そして、お高い基礎化粧品をふんだんに使ってやるのだった。
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