ライオン王子に飼われたネコさん。

「君、マシロちゃんって言うんだよね。綺麗な名前だ。俺の友達と同じ名前なんだよ」

さすがは猫を飼っているだけあって頭の撫で方が絶妙にツボをついていて、思わず目を閉じてしまう。

「あいつ一週間だけ預かるって言ってた癖にめちゃくちゃ愛着湧く名前つけちゃってさ〜。言ってた一週間は過ぎちゃったし、どうするんだろうね。君はあいつに飼われることになるのかな?」

(なりません!!)

「ふにゃあ!!」

不満げな声に一瞬びっくりしたように目を見開いた銀はすぐにクスクスと笑ってマシロを撫でた。

「嫌なんだ?」

(嫌ですとも!!)

今度は返事こそしなかったが、心の中で声を大にして叫んだ。しかし、表情は俄かに不満げだったのだろう。

「なんだか人間みたいな白猫ちゃんだな」

ギクリとしたが銀は楽しそうに笑うだけだった。

「緊張も解けて来たみたいだし、俺の家族を紹介するね」

「ルナ」と呼ばれた猫がキャットタワーからニュッと顔を出し、音も立てずに床に着地する。

これが人間で体操の選手ならオリンピック金メダルものの美しい着地だった。

「この子はルナだよ」

青っぽい銀の毛に薄いグリーンの瞳。
高貴で美しいまるで女王様のようなロシアンブルー。

何度か会ったことがあるがいつ見ても美猫のルナとは猫姿でははじめましてだ。

「ルナ、この子はマシロちゃんって言うんだ。しばらく預かることになったから仲良くね」

シュッと整った顔立ちのルナと凡庸な白猫のマシロが対面する。

(あぁ、猫の世界にも美醜は存在するのね。)
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