私が聖女？いいえ、悪役令嬢です！２～生存ルート目指したらなぜか聖女になってしまいそうな件～

「友人であり護衛だなんて、信頼されてらっしゃるのね」

ガリーナは燃えるような瞳で、ジッとニジェルを見つめた。

「彼女は次代の聖なる乙女に指名されたカミーユ嬢。彼女は放課後に聖なる乙女としての勉強があるため、寮内の生活はイリスに聞いてください」

「あ、あの、カミーユと申します……」

ガリーナは四人を値踏みするように見て、ニッコリと笑った。

「わたしくしは、ヴルツェル王国の第一王女、ガリーナ・ヴォン・グラディオーレンと申します。よろしくお願いいたしますわね」

流ちょうなフロレゾン語にイリスは驚いた。「話せる」程度ではなく、社交ですら困らないほどの美しい発音だったからだ。

「そして、こちらは私の護衛。デッカー・ボリージです。このたびは特例として、学生ではないものを護衛として側に置くことを許していただきました。学生とはいえぬ年ですが、わたくし共々仲良くしていただけると嬉しいですわ」

ガリーナの言葉にデッカーは頭を下げた。

「デッカーとお呼びください」