私が聖女?いいえ、悪役令嬢です!2~生存ルート目指したらなぜか聖女になってしまいそうな件~
デッカー・ボリージは二十二歳の青年だ。こちらも流ちょうなフロレゾン語を使う。見知らぬ土地で留学する王女のために、特別に一緒の生活を許されている。

身長はニジェルと同じくらいだろうか。肩幅が広いせいか、ニジェルより大きく見えた。日に焼けた肌がスポーツ選手を思わせる。黒い髪は光の加減で藍色に光って見えた。

前世が日本人だったイリスにすると、少し懐かしく思える風貌だった。

サッカー選手みたい。こう、ゲーム配色キラキラ王子様に囲まれて生活していると、目に優しい気がする。

思わずジッと見てしまい、デッカーに不思議そうな顔をされ、イリスは曖昧に笑って目をそらした。

「ヴルツェル王国には魔法がないため、不自由されることも多いと思います。困ったことがあったら私たちに声をかけてくださいね」

「頼りにしておりますわ。レゼダ殿下」

レゼダが外向きの笑顔でニッコリと笑えば、ガリーナも艶やかに微笑み返した。

ガリーナの留学もあってか、今年はイリスもカミーユたちと同じクラスとなった。

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