私が聖女？いいえ、悪役令嬢です！２～生存ルート目指したらなぜか聖女になってしまいそうな件～

せっかく勝ったんだからもっと喜べばいいのに。ニジェルってば大きくなってからクールぶってるのよね。

ちょっと不満なイリスである。

授業が終わり昼食の時間になる。イリスたちは微妙な空気のまま食堂へと向かった。

不機嫌なニジェルに、嬉々として話しかけるガリーナ。その後ろに気まずそうなデッカーと、何が何やらわからないイリスである。

「ニジェル様は剣術が強くてらっしゃるわ！　さすがレゼダ殿下の護衛を任されているだけのことはありますわ」

「いえ、年が同じというだけです。正式なものではありませんので」

ニジェルが素っ気なく答えれば、ガリーナはさらに距離を詰めてくる。

「まぁ謙遜なさるのね？　わたくしのデッカーを打ち負かした騎士は初めてでしてよ？」

ガリーナの言葉にニジェルは不快そうに足を止めた。

そしてガリーナの後ろに控えるデッカーを見る。

「ご配慮ありがとうございました。しかし、学園内では不要です。デッカー殿。王女殿下には真実をお話します」

ニジェルはそう言うとガリーナに険しい顔を向けた。