私が聖女?いいえ、悪役令嬢です!2~生存ルート目指したらなぜか聖女になってしまいそうな件~
「私がデッカー殿に勝ったのではありません。デッカー殿がわざと負けました。王子の護衛を皆の前で負かすことに抵抗があったのでしょう。その配慮が必要となる場もあるかと思いますが、学生同士として交流を深めるというつもりなら、今後そのような忖度は必要ありません」
ニジェルのきっぱりとした物言いに、驚いたようにガリーナは目を見開き、デッカーを見た。デッカーは深々と頭を下げた。
「誠に申し訳ございませんでした」
頭を下げるデッカーに、ガリーナは満足したように頷き、恋する乙女のような目でニジェルを見つめた。
「本当に素晴らしい方ですわ……ニジェル様」
ため息交じりのガリーナの言葉に、ニジェルは何も応えずにツカツカと歩きだした。
イリスはいろいろと混乱中だ。
私、王子の護衛とか立場とか全然考えずに、今までニジェルに勝ってきた……。え、それって、どうなのよ? 良くなかったわよね? それに、私、デッカーさんには完敗だった。ニジェルは手を抜かれていると感じないくらいには善戦してたわ。もしかして、私って……弱いの……?
ガーン、と頭の中で「弱い」という文字が落ちてくる。
ニジェルのきっぱりとした物言いに、驚いたようにガリーナは目を見開き、デッカーを見た。デッカーは深々と頭を下げた。
「誠に申し訳ございませんでした」
頭を下げるデッカーに、ガリーナは満足したように頷き、恋する乙女のような目でニジェルを見つめた。
「本当に素晴らしい方ですわ……ニジェル様」
ため息交じりのガリーナの言葉に、ニジェルは何も応えずにツカツカと歩きだした。
イリスはいろいろと混乱中だ。
私、王子の護衛とか立場とか全然考えずに、今までニジェルに勝ってきた……。え、それって、どうなのよ? 良くなかったわよね? それに、私、デッカーさんには完敗だった。ニジェルは手を抜かれていると感じないくらいには善戦してたわ。もしかして、私って……弱いの……?
ガーン、と頭の中で「弱い」という文字が落ちてくる。