私が聖女?いいえ、悪役令嬢です!2~生存ルート目指したらなぜか聖女になってしまいそうな件~
イリスは侯爵令嬢でゆくゆくは妃になるのだ。護衛より強くなくてよいはずなのに、あさっての方向にショックを受けるイリスである。

スタスタと食堂を目指すニジェルに、まとわりつくように話しかけるガリーナ。

呆然とするイリスにデッカーが声をかける。

「イリス嬢、大丈夫ですか」

デッカーの声に我に返ったイリスはデッカーの手を掴んだ。

「デッカーさん! デッカーさんはニジェルより強いんですよね? 私に剣術を教えてください!」

「は?」

「ニジェルより、レゼダ殿下より強くなりたいんです!」

「それはお請けできかねます。私は王女の護衛ですので」

苦笑いされてイリスはシュンとした。

「そうですよね……」

「イリス!!」

激しいニジェルの声が飛んで、イリスが顔を上げる。

「なにしてるの? カミーユ嬢を待たせるつもり?」

ニジェルがイライラしたように言う。

ニジェルってば自分が早くカミーユたんに会いたいからって、怒りんぼ!

イリスはそう思いながら大人しく返事する。

「今行くわ」

デッカーと笑いながらイリスは食堂へ向かった。

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